クラプトン・サウンドメイク/Bad Love風セッティング

エリック・クラプトン1989年のアルバムJurney Manからの曲Bad Loveを取り上げて音作りを研究してみたいと思います。
このJurney Man辺りからクラプトンのメインギターがブラッキーから現在も使用しているミッドブースト搭載モデルへと変更になりました。
Bad Loveのメインフレーズでは正にこのミッドブーストを存分に効かせたサウンドとワウペダルの組み合わせを聴かせてくれます。それでは、ミッドブーストによるドライブサウンドが要となるBad Love風セッティングの方法を見ていきましょう。
<Bad Love風サウンドメイク・メニュー>
・参考音源①『Bad Love風』メインフレーズ(ダイレクトなドライブサウンド)
・参考音源②『Bad Love風』メインフレーズ(オートワウON)
・参考音源③『Bad Love風』メインフレーズ(ペダルワウの場合)
使用する機材と全体的な構成
まず使用するギターですが、この曲に限らずクラプトンサウンドを参考にした音作りでは基本的にストラトキャスターが中心となります。

クラプトンのシグネチュアーモデルが理想ですが、通常のストラトの場合は当SMALLGARAGE製のミッドブースターECM-Boosterが活躍してくれます。
今回はECM-Boosterを使って解説していきます。クラプトンシグネチュアーストラトをお使いの場合はギター本体のTONEやVOLUME、ブーストツマミと照らし合わせて参考にしてください。
クラプトンECミッドブースター
さらにメインフレーズではミッドブーストサウンドにワウもかかっているのでワウペダルも用意しましょう。
通常のワウペダルの場合と単音弾きでもペダルワウに近いニュアンスが出せるよう開発した同じく当SMALLGARAGE製オートワウATW-SR1も使ってみました。
セッティング全体図
それでは全体的な接続順を見てみましょう。

接続順はギター➡オートワウ(ATW-SR1)➡ミッドブースター(ECM-Booster)➡アンプの順です。単体のエフェクター化したECM-Boosterならワウ➡ミッドブーストの接続順も可能になります。
ワウはブースターの前に接続したほうが自然な効きになります。ブースターの後だと効き方が強くなってしまうためギターの直後にワウを接続することをお勧めします。
クラプトンシグネチュアストラトをお使いの場合はワウをギター本体に搭載のミッドブーストの前に持ってくることはできませんのでこちらの解説を参考にしてください。
使用機材と大まかな構成は上記のようになります。つづいて細かな設定方法を曲の各セクションごとに見ていきましょう。
メインフレーズのサウンドメイク
実際にサウンドメイクをするにあたっては、ミッドブーストが存分に効いたメインフレーズの音作りを軸として各セクションごとに変化を加える形にしました。まずはメインフレーズの音作りをじっくり行いましょう。
ギターのセッティング
メインフレーズではストラトキャスターのフロントピックアップを選択します。

(使用するアンプやセッティングによってはセンターピックアップでもいいかもしれません。)
アンプとブースターの設定
ブースターの設定ですがBad Loveのメインリフはおそらくクラプトンのサウンドの中でも最もドライブの効いている部類と思われますのでBoostツマミは100パーセント、MAXの全開にした状態でセッティングしていきます。

BOOST 100%(MAX)
ただミッドブースターだけではここまでドライブしないのでアンプのドライブも組み合わせます。ミッドブースターをBoost全開でONにしてアンプのGAINを上げていったとき急激にドライブし始めるポイントがあるかと思います。
ドライブするポイントが見つかったらそれ以上はGAINを上げないようにしましょう。(この状態でECM-BoosterをOFFにしてもピッキングの強弱やギター本体のVolume操作によりクリーン~クランチ程度の歪みになるのが理想的です。歪ませ過ぎには注意してください。)

アンプの機種によりドライブし始めるGAINのポイントは変わってきます。今回使用した小型チューブアンプなどではGAINを60パーセント前後にするとしっかりしたドライブサウンドになりました。
別のアンプの場合でもやはりGAIN60%辺りで程よいドライブになるものが比較的多い印象でしたが、もっとハイゲインなアンプの場合は低いGAIN設定でもドライブするかと思います。

アンプ GAIN 60%
ECM-BoosterのLEVELはギター本体のVOLUMEの役割と同じなので今回のようなドライブサウンドではBoostと同じく全開が良いでしょう。

LEVEL、TONE 100%
また、ワウを使うためTONEも全開にしました。
ECM-Boosterオリジナルの機能であるMIDDLE調節つまみは使用するアンプとギターやピックアップによって設定しましょう。

MIDDLE 50%
今回使用したアンプとストラトキャスターのフロントPUのセッティングの場合ではMIDDLEは真ん中50パーセント、12時辺りの位置が原曲に近い雰囲気になりました。
ただしアンプによってはMIDDLE50パーセントでは音が軽くなってしまう機種もあるかもしれません。(特に録音された音を聴いた時)その場合はMIDDLEツマミを70パーセントほど、時計の位置で15時までを目安に上げていきましょう。

アンプのイコライザー類ですがミッドブースターを使用することを考慮して高音域寄りのセッティングにします。特にTrebleはどのようなアンプでも80パーセント前後の上げ気味にするのが良いかと思います。

アンプEQセッティング目安 Treble80%, Middle10%, Bass50%
BASSは今回使用したアンプでは50パーセントほどでしたが使用するアンプによって実際に音を出して設定してください。アンプのミドルはブースターが担うので下げましょう。
参考音源①『Bad Love風』メインフレーズ(ダイレクトなドライブサウンド)
それではまずワウをOFFにした状態でのダイレクトなミッドブーストとアンプによるドライブサウンドを確認してみてください。

ギター設定
- Pickup Position – FRONT
(ワウOFF)
ECM-Booster設定
- MIDDLE 50%
- BOOST 100%(MAX)
- TONE 100%(MAX)
- LEVEL 100%(MAX)
アンプ設定
- GAIN 60%
- Treble 80%
- Middle 10%
- Bass 50%
アンプの設定は機種によって違いがあるので一概には言えませんがミッドブーストをOFFにしたギターソロ直前のクリーンバッキングが参考になるかと思います。↓
ワウの設定
つづいてオートワウATW-SR1の設定です。
シングルコイルピックアップの場合はオートワウの感度を少し上げたほうが効きが分かりやすいのですが、それでもSENSを上げ過ぎるとピッキングに対する反応と効きが強くなりすぎて原曲と雰囲気が違ってしまいます。

(Auto Wah) SENS 60%
今回の場合はツマミを60パーセント、センターより少し上げた状態にするとペダル式ワウに近い雰囲気が出せました。もちろんオートワウではなく通常のペダル式ワウであればより近い感じを出せるでしょうがATW-SR1ならピッキングで感覚的にエフェクトを掛けられるうえ余計な操作が不要なので演奏は楽になります。
参考音源②『Bad Love風』メインフレーズ(オートワウON)
それではオートワウをONにした状態のより原曲メインフレーズに近いセッティングでのデモ音源をご確認ください。

ギター設定
- Pickup Position – FRONT
オートワウ設定
- SENS 60%
ECM-Booster設定
- MIDDLE 50%
- BOOST 100%(MAX)
- TONE 100%(MAX)
- LEVEL 100%(MAX)
アンプ設定
- GAIN 60%
- Treble 80%
- Middle 10%
- Bass 50%
オートワウをONにした原曲メインフレーズ風サウンドサンプル↓
参考音源③『Bad Love風』メインフレーズ(ペダルワウの場合)
つづいてオートワウではなく通常のペダル式ワウを使った場合のデモ音源です。オートワウがペダル式ワウに置き換わっただけでそのほかの機材のセッティングは上記参考音源②と同じです。
ペダル式Wahの場合。原曲メインフレーズ風サウンドサンプル↓
クラプトンシグネチュアーストラトを使う場合
クラプトンシグネチュアーストラトをお使い場合はどうしてもギター本体のミッドブーストがワウの前に来る形になります。しかし、この構成だとオートワウでは効きが強くなりすぎてしまうようです。SENSをさらに下げると折角のドライブ感が損なわれてしまうのでシグネチュアストラト本体のミッドブーストを使う場合はオートワウではなく通常のペダル式ワウを使いましょう。

通常のワウペダルでも機種によっては効きが強くなる場合も考えられます。ペダルを浅く操作するか事前にペダルの効き具合の調整を行っておきましょう。
バッキング時のサウンドメイク
歌メロのバッキングもメインリフと同じサウンドで音量だけを抑えたように感じますのでミッドブーストのLEVELを下げる、もしくはギター本体の音量を下げて対応しましょう。

この後サビメロのオブリガードもメインリフと基本は同じサウンドのようです。さらにメインリフ自体が何度か登場するので演奏中であれば歌メロに入っても必要に応じてワウのON/OFFとギター本体の音量を変えるのみが無難でしょう。オートワウならギターの音量を下げてしまえば効きが弱まりOFFと同じにできます。
クリーントーンのサウンドメイク
ギターソロに入る直前にクリーンサウンドでのバッキングがあるので、これは単純にミッドブースターをOFFにするだけでよいかと思います。
参考音源④クリーンサウンド

ギター設定
- Pickup Position – FRONT
(ワウOFF)
(ブースター OFF)
アンプ設定
- GAIN 60%
- Treble 80%
- Middle 10%
- Bass 50%
クリーンでのサウンドサンプル↓
上記の参考音源は単純にECM-BoosterをOFFにしただけです。
このミッドブーストOFF時のサウンドはアンプセッティングの参考になるかと思います。ピッキングの強弱のみでクリーン~クランチを表現できる高音域の煌びやかなアンプを使用するのが理想です。ミッドブーストをOFFにしても歪んでしまう場合はギター本体のVOLUMEを下げましょう。
ギターソロのサウンドメイク
ギターソロのサウンドはメインフレーズと比べるとワウがOFFだけでなくその他セッティングも若干違うように感じます。
Bad Loveのギターソロの場合はもう少し丸みのあるドライブサウンドなのでメインフレーズで設定したよりもMIDDLEを80パーセントほどにすると近い感じが出せるでしょう。

MIDDLE 80%
しかし、これだとペダル側のつまみを操作しないといけないので演奏中の調節は難しい所です。
そこで別の手段としてブースターの設定はそのままでギター側のTONEを50パーセントほどに絞ると近い雰囲気が出せるかと思います。
演奏中にさらに余裕があればピックアップセレクターをフロント+センターのハーフトーンに切り替えるとより原曲に近づけるはずです。
参考音源⑤ギターソロ 設定例

ギター設定
- Pickup Position – FRONT+Center
- Tone 50%
(ワウOFF)
ECM-Booster設定
- MIDDLE 50%
- BOOST 100%(MAX)
- TONE 100%(MAX)
- LEVEL 100%(MAX)
アンプ設定
- GAIN 60%
- Treble 80%
- Middle 10%
- Bass 50%
クリーンバッキングの終盤にピックアップセレクターをフロント+センターに切り替えておいてギターソロ開始と同時にとミッドブースターをONにすればスムーズに演奏できるでしょう。
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以上、Bad Love風サウンドメイクを解説してきましたが、ミッドブースターを使ったドライブサウンドはこの曲のみならず特にレースセンサー期以降のクラプトンサウンドの参考になるかと思います。
当コーナーでは本人使用の機材にこだわらず出音をいかに近づけるかに重点を置いています。今回使用したミッドブースターECM-Boosterも是非ご活用ください。




