NIRVANA/Smells Like Teen Spirit風サウンドメイク

本ページにはPRが含まれています
今回はニルバーナのメジャーファーストシングルでアルバムNEVERMINDの1曲目でもあるSmells Like Teen Spiritのサウンドメイク方法を研究してみたいと思います。この曲はクリーンサウンドから唐突に深いディストーションサウンドへと変化するためクリーンと歪みの切り替えのお手本サウンドメイクと言えます。またコーラスも使われている場面があるためその設定方法をみていきましょう。
<メニュー>
Teen Spirit風サウンドメイク使用機材と接続順
使用機材ですが、まずギターに関してNIRVANAのギタリストであったカート・コバーン本人はフェンダージャガーやムスタングにハムバッカーピックアップが搭載されたものを使っていました。現在もカート・コバーンモデルとして同じ仕様のギターが販売されています。カート・コバーンモデル一覧➡

Kurt Cobain Jag-Stang (Sonic Blue)
カート・コバーン本人と同じ機材にこだわりたいという場合はこうしたギターを用意したり改良を施すのも良いのですが、SSHのストラトやギブソン系のギターなどパッシブタイプのノーマルなハムバッカー搭載のギターであれば十分に近い雰囲気は出せるかと思います。

今回は歪みをエフェクターでつくるためギターの次には歪みペダルを繋ぎます。使用するのはカートが使用していたと言われるBOSS DS-1です。当時本人が使用していた日本製DS-1は現在は中古でしか手に入りませんが今でも大変人気があるようです。
現在新品で入手できる現行DS-1は当時とは使用パーツなどが違うため厳密には音色に若干の違いがあるようですが現行品でも歪みの質感など基本は変わっていません。
ギターやアンプがどんなものであってもDS-1さえあれば歪みに関してはほぼ同じ音を出すことが出来るのではないかと思います。ほかのディストーションペダルを使っても良いですがオリジナルの歪みに近づけたい場合は今でも入手しやすく価格も手ごろな現行DS-1を用意したいところです。
つづいて揺れもの系であるコーラスペダルを繋ぎます。歪みの後に揺れものをつなぐセオリー通りの接続順です。逆にすると濁ったサウンドになる恐れがあります。
カート本人はSmall Cloneなどのコーラスペダルを使っていたようですここでは当SMALLGARAGE製のコーラスCHR-SR1を使って設定を解説していきたいと思います。
別機種のコーラスをお使いの場合は各設定値をそれぞれ照らし合わせながら参考にしてください。
コーラスの次はアンプになります。ギター➡ディストーション➡コーラス➡アンプというシンプルな構成です。

今回はアンプをクリーンに設定してディストーションペダルのON/OFFで歪みとクリーンを切り替える方法を採用しました。
ほかにもクリーン専用のアンプと歪み専用のアンプをそれぞれ用意してスイッチャーで切り替えたりチャンネルを選択できるアンプの場合はクリーンと歪み時の2系統のラインを用意するなどの方法もあります。
しかしこの曲ではコーラスをクリーン時だけでなくディストーションと組み合わせた場面でも使うため最もシンプルなライン構成にしました。
機材セッティングの詳細
まずギター本体ですが曲全編を通してリアピックアップを選択します。曲の場面に応じてボリュームの上げ下げも行います。

ディストーションのセッティング
ディストーション、DS-1の場合DISTツマミを80パーセントTONEを45パーセントほどに設定しておきます。

DIST 80% , LEVEL 65% , TONE 45%
TONEは使用するアンプのセッティングや特性に合わせて微調節しましょう。あまり上げ過ぎると高音がきつくなりすぎるのでTONE45パーセント前後が目安です。
Levelツマミは今回65パーセントほどに設定しましたがON/OFF時の音量にあまり大きな差が出ないよう全体の音量と使用機材に合わせて各自調節してください。
コーラスのセッティング
ここでは当SMALLGARAGE製のコーラスCHR-SR1で解説しますが別機種のコーラスをお使いの場合も設定方法の参考にしてください。
まず揺れの速さで(間隔)ですが曲のテンポに合わせて8分音符ごとに揺れの山と谷が来るよう(1拍で山か谷が一回づつ、8分の表が山で裏が谷のイメージ。逆でも同じ)に設定します。CHR-SR1ではSPEEDつまみを65%程にすると曲のテンポにマッチします。

SPEED 65% , DEPTH 80% , MIX 100%
原曲では比較的深めにコーラスがかかっている印象なので揺れの深さDepthはCHR-SR1では80パーセントほどと多めに設定しました。
コーラスの機種にもよりますが今回のSPEED設定ほどの揺れが速い場合DEPTHをこれ以上上げると音程が狂ったような気持ちの悪いエフェクトになってしまいます。SPEEDの設定が高い場合はDEPTHの上げ過ぎには注意しましょう。
今回はパラレル接続はしないためMIXつまみはエフェクト側100%にしておきます。
アンプの設定
アンプの設定は原曲の冒頭ノンエフェクト状態のクリーサウンドを目指して音作りをします。
クリーンサウンドを目指すのでアンプのGAINは10パーセント前後。歪ませず、かつしっかり音量が出る位置を探りましょう。
アンプのイコライザー類ですが原音では低音域が少ない軽めなクリーンサウンドになっています。

GAIN ~20% , TREBLE 80% , MIDDLE 40% , BASS 30% , MASTERお好みで
BASSを30パーセントほどに削り、Middleも若干減らし気味で40パーセント前後にしてTrebleの調節で音の立ち上がりがいいクリーンサウンドを作りましょう。
Trebleの具体的な値ですがアンプの機種によっては80パーセントほどまで上げたほうがいい場合もありますが、もともと高音域が鋭いアンプの場合あまりにTrebleをあげると線が細い音になったりディストーションをONにした時に高域が耳にキツい耳障りなサウンドになってしまう恐れがあります。
BASS、MIDDLEは上記のような設定に固定したうえでTrebleの操作によって原曲のクリーンサウンドに寄せていきましょう。
一旦設定し終わったらディストーションON時の高音の出方や音の抜けを聴きながら再度Trebleを微調節します。ディストーションのTONEも再度動かしながら合わせ込んでいきましょう。
場面ごとの設定
この曲は場面ごとにギターサウンドが目まぐるしく変化していくため必要に応じてエフェクトのON/OFFやギターボリュームの操作も必要になります。それぞれの場面ごとに操作とコツを見ていきましょう。
イントロ
イントロではクリーンサウンドで始まるのでエフェクト類は全てOFFにしておきます。ギターのピックアップセレクターはリアでボリュームは全開でOKです。
そして最初のクリーン4小節が終わったらディストーションをONにしてラウドなパートへと移行します。
イントロ・クリーンサウンド

イントロ・ディストーションサウンド

ギター設定
Pickup Position
- Bridge
Volume
- 100%
ディストーション設定
- DIST 80%
- LEVEL 65%
- TONE 45%
(クリーン時OFF)
コーラス設定
OFF
- SPEED 65%
- DEPTH 80%
- MIX 100%
アンプ設定
- GAIN ~20%
- Treble ~80%
- Middle 40%
- Bass 30%
↑メニューに戻る
Aメロ
Aメロでは再びクリーンサウンドに戻りますがイントロと違いコーラスが掛かっています。
Aメロ・クリーン+コーラス

ギター設定
Pickup Position
- Bridge
Volume
- 100%
ディストーション設定
OFF
- DIST 80%
- LEVEL 65%
- TONE 45%
コーラス設定
- SPEED 65%
- DEPTH 80%
- MIX 100%
アンプ設定
- GAIN ~20%
- Treble ~80%
- Middle 40%
- Bass 30%
ディストーションをOFFにしてコーラスもONにしなければいけないので瞬時の切り替えが求められます。
Aメロでは2拍目からギターフレーズが入ってくるので1拍分だけ切り替えのタイミングがありますがそれでも極わずかな余裕しかありません。
切り替えも演奏なので練習してイントロのラスト4拍ウラのブラッシング部分でディストーションOFF、Aメロと同時にコーラスをONにできれば理想的ですがもう少し余裕のある切り替え方法もあります。
コツとしてはイントロが終わるあたりで先にコーラスをONにしておきます。そしてAメロの1拍目の空白部分でディストーションをOFFにします。ラウド部分で先にディストーションをOFFにすると目立ってしまいますが、ディストーションONのまま先にコーラスをONでも短い時間あれば殆ど判らないでしょう。
Bメロ
BメロではAメロを変化させたフレーズになりコーラスONのまま歪みも加わってきます。といってもイントロのラウド部分程歪んでいないのでギター本体のボリュームを絞って歪みの量を減らしましょう。
Bメロ・ディストーション+コーラス

ギター設定
Pickup Position
- Bridge
Volume
- 適度に下げる
ディストーション設定
- DIST 80%
- LEVEL 65%
- TONE 45%
コーラス設定
- SPEED 65%
- DEPTH 80%
- MIX 100%
アンプ設定
- GAIN ~20%
- Treble ~80%
- Middle 40%
- Bass 30%
ディストーションONと同時にボリュームも操作するのは難しいのでAメロの最後の音を伸ばしている間に先にギターのボリュームを下げておくことがポイントはです。イントロからの切り替えよりも今回は余裕があるかと思います。
サビ
サビはイントロのラウド部分と同じでなのでディストーションはONのままサビと同時にコーラスを再びOFFにします。
ギターのボリュームは全開でもいいですがイントロとの違いは歌メロのバッキングであることです。ギター本体のボリュームはBメロの音量のままコーラスをOFFにするだけの方が歌を目立たせ操作も少なくできるのではないかと思います。
サビメロ・ディストーションサウンド

ギター設定
Pickup Position
- Bridge
Volume
- 適度に下げる
ディストーション設定
- DIST 80%
- LEVEL 65%
- TONE 45%
コーラス設定
OFF
- SPEED 65%
- DEPTH 80%
- MIX 100%
アンプ設定
- GAIN ~20%
- Treble ~80%
- Middle 40%
- Bass 30%
サビでは歌よりも迫力のあるサウンド重視で音量を上げたい場合はBメロの間にボリュームを上げておきましょう。
ギターソロ
ギターソロではディストーションもコーラスもONになります。歌は入らないパートなのでギターのボリュームは全開にしてソロを目立たせましょう。
Bメロ・ディストーション+コーラス

ギター設定
Pickup Position
- Bridge
Volume
- 100%
ディストーション設定
- DIST 80%
- LEVEL 65%
- TONE 45%
コーラス設定
- SPEED 65%
- DEPTH 80%
- MIX 100%
アンプ設定
- GAIN ~20%
- Treble ~80%
- Middle 40%
- Bass 30%
原曲のレコーディングではクリーンとディストーションでは別々にセッティング、録音されている可能性があり設定の自由度も高いはずですが、今回のように生演奏を想定してクリーンと歪みを切り替える場合にはそれぞれの設定において妥協が強いられます。
クリーン、ディストーションどちらもオリジナルの音色にこだわり過ぎると何時までたってもセッティングが決まらず沼にハマってしまいます。
クリーン時の音を原曲に近づけるかディストーション時のサウンドを重視するか、それともその中間を狙うのか目標をハッキリさせて音作りに挑みましょう。
*上記の方法でオリジナルのサウンドを完全に再現できるものではありません。



