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●OVERDRIVE
ギターの歪みサウンドの要、基本となるものがオーバードライブです。単語としては過剰負荷といった意味にもなるかと思います。
かつてエレクトリックギターが登場した当初のギターアンプというのは音量を上げるためのパワーアンプ部そのものであり歪みを産み出すプリアンプ部分はありませんでした。
それでもより力強く迫力のあるサウンドを目指した50年代のブルースミュージシャンなどはボリュームを必要以上に上げて真空管に過剰な負荷をかけることにより音が割れることを利用して歪みサウンドを作っていました。
基本的にはこの真空管への過剰な負荷で割れた音をつくることがオーバードライブの本来の意味だと思います。そしてエフェクターとしてオーバードライブにカテゴリーされるものは過剰負荷の原理で歪みが造られる状態をあらかじめ再現した機材とも言えるでしょう。
オーバードライブを使った音作り
一般的なオーバードライブはあらかじめ音を歪ませておくだけでなく回路の違いによりそれぞれ固有のサウンドキャラクターを持っています。それぞれの機種でしか出せないサウンドがあり、エフェクター単体でもある程度音作りが出来ます。
しかし、オーバードライブ単体ではそれほど歪みも強くなく、先ほどの過剰負荷をかける事が本来の意味であることを考慮するとアンプ本来のサウンドと組み合わせて使うものをエフェクターとしてのオーバードライブに分類したいと思います。
オーバードライブの設定
一般的なオーバードライブに共通する設定項目だと思います。
DRIVE
歪みの強さを調節します。
LEVEL
音量の調節項目です。DRIVEの量に応じてON/OFF時の音量差が無いよう設定するのが基本です。ただし、オーバードライブをブースターとして使う場合はDRIVEを0~2程に絞ってLEVELツマミはOFF時よりも音量が大きくなるように設定します。
TONE
主に中高音域の調節をします。
★一般的なオーバードライブ
ギタリストにとって歪みサウンドの追求は永遠のテーマのようなものですので、それに伴い数え切れないほどのオーバードライブが存在しているかと思います。その中でも特にポピュラーなもの、代表的でオーバードライブの基本になるようなものをサウンドの参考に出来るようご紹介いたします。
BOSS OD-1
元祖オーバードライブと言えるのがこのOD-1でしょう。現在は生産されていませんが今なお根強い人気を誇り、正にオーバードライブの定番と言えるサウンドです。現在は後継機種のSD-1やOD-3、OD-1Xが販売されていますがサウンドの基本は初代OD-1を受け継います。
布袋寅泰氏が使用していた伝説的な名機KORG OVD-1も回路的に似ておりOD-1タイプのオーバードライブといえるでしょう。
Ibanez TS-9
いわゆるTS系と言われるモデルの元祖がこのIbanez TS9です。TSとはTube Screamerの略でその名のとおり真空管を唸らせるオーバードライブ状態を再現したものと言えます。サウンドは中~高音域を持ち上げることによりアンプからの出音が立体的で奥行きのある質感に仕上がります。
このTS系と言われるオーバードライブも定番のサウンドなので派生機種が数多く存在しています。その中でも有名なのがより歪みを増やしレンジを広げたのがハンドメイドで有名なLandgraff DODでしょう。TS系回路というだけでなくパーツの配置などレイアウトにもこだわり、非常にすばらしいサウンドで大人気の機種ですがハンドメイドゆえ価格が高いうえ創業者の方が亡くなってしまい更に市場価格が高騰しています。
SMALLGARAGEではこの定番TS,Landgraff系オーバードライブとしてDynamix Driver SRを開発しました。他のエフェクターと並列にも接続できるようSEND RETURN端子を標準装備しています。
Dynamix Driver SRに限らずパラレル接続が可能なエフェクターを開発しています。
KLON Centaur
オーバードライブの最高峰と言えるのがこのKLON Centaurでしょう。ケンタウルスと呼ばれるこの機種の元型バージョンは既に生産終了となっておりますが、それ以前から中古でも10万円以上するという大変なプレミア価格となっています。
それでもサウンドはその価格でも惜しくないほどすばらしいもので、絶妙な原音ミックスにより豊かな倍音と立体感が得られます。艶やかで乾いたそのサウンドはケンタウルスならではと言えます。
オリジナルのケンタウルスは大変高価ですが近年回路が解析され、それを元にした様々なオーバードライブが開発されケンタウルス系として販売されています。ケンタウルス系ペダルは是非とも1台は持っておきたいオーバードライブです。