エフェクターの種類★ファズ

●FUZZ

ファズ最後にご紹介する歪みペダルがファズですがオーバードライブやディストーションが登場するよりも以前から存在していました。歪みペダルと言えば最初はファズだったようです。 このファズサウンドが生み出された当初の目的は歪みサウンドを作るためと言うよりはサスティーン(音の伸び)を稼ぐために開発されたという説があります。 ファズと呼ばれるものは数値的な歪みの強さではディストーション並みに歪みますがサウンドの質感が異なるといえます。 ファズの歪みは個性的で音の粒に粗さがありノイズに近いイメージです。それに比べディストーションの歪みはもっと制御された感じといえるでしょうか。昔はファズしか歪みペダルがなかったため現在その音を聴くと非常にヴィンテージな歪みサウンドといった感じがします。

★代表的なファズ

歪みペダルの原型であるファズは古くからあるため実に数多くの機種が生み出されています。その中でも特に押さえておきたいペダルをご紹介します。

Jim Dunlop FUZZ FACE

ファズと言えばやはりこのFUZZ FACEでしょう。ジミ・ヘンドリックスが愛用したこの機種は回路も大変シンプルでファズの代表と言えます。特徴的な円形のケースも代名詞でありファズサウンドというと真っ先にこのFUZZ FACEが思い浮かびます。 音はシンプルながら非常に強い増幅力を持ち、燃え上がるような豪快な歪みサウンドが特徴的です。また、そのシンプルな回路構成のためギターのボリュームコントロールの追従性が素晴らしく手元の音量調節やピッキングの強弱で歪みサウンドからクリーンなトーンまで生み出せます。 近年人気のFuzz FactoryもこのFUZZ FACEの発展形で歪みの質感を継承しつつ、さらに豪快かつユニークに改良されたペダルと言えます。  

Electro Harmonix BIG MUFF

豊富な種類のエフェクターラインナップを誇るエレクトロハーモニクス社のBIG MUFFをご紹介します。回路の増幅素子にFUZZ FACEがゲルマニウムトランジスターを用いていたのに対しBIG MUFFはシリコントランジスターを使ったファズの代表格と言えましょうか。 FUZZ FACEはシンプルな回路構成でしたがこちらのBIG MUFFは数段階の増幅とダイオードによるクリッピングで粗さとキメの細い歪みが特徴です。そして何といっても伸びやかなサスティーンが得られるので轟音のファズサウンドというだけでなく心地よいリードプレイにも最適です。 BIG MUFFも歴史の長い機種で数多くのバージョン違いが存在します。入手困難なものはプレミア価格になるほど人気の機種です。BIG MUFFという名の通りケースサイズがかなり大きいですが現行品は比較的お手ごろな価格とサイズのものも有りますので是非試していただきたいサウンドです。   さて以上が大まかですが歪みペダルの特徴と代表機種をご紹介しました。 次のページではコンプレッサーについて解説いたします。