歪みペダルとディレイのパラレル接続
ここからはより具体的なパラレル接続の組み合わせを解説していきたいと思います。パラレル接続の組み合わせで比較的分かりやすく実用的なのが歪みペダルとディレイの組み合わせでしょうか。
Dynamix Driver SRを使ったディレイのパラレル接続
当SMALLGARAGE製のDynamix Driver SRを使用した場合の接続パターンです。通常の直列繋ぎでのセオリーではギターオーバードライブディレイの順が良いとされます。もちろんこれで違和感なくエフェクトを掛けられますが実際にはディレイの遅れてくる音も歪みサウンドになります。これをパラレルで接続した場合、実音のみが歪みサウンドとなり、遅れてくる山びこのディレイ音はクリーンなままアンプから出力される仕組みになります。
DLY-SR1を使った場合のパラレル接続
こちらはDLY-SR1を使った場合のパターンです。SEND,RETURN間に既成の歪みペダルを図のように接続してもクリーンなディレイに歪みをミックスできます。
繋いでいる歪みペダルの音量をOFF時と同じにしましょう。音量差が大きすぎるとハウリングなどの原因になります。
パラレル接続による効果
歪みペダルとディレイをパラレル接続する効果ですが、ディレイ音のみクリーンに掛かることにより歪みサウンドでありながら全体的に透明感のあるサウンドに仕上げられると言えます。また、残響音がクリーンであるため目立たせることなく隠し味的にも使いやすいでしょう。また、残響音は歪まないため分離感のあるサウンドメイクが出来ることも魅力です。
このセッティングの使いどころ
歪みとディレイのパラレルが最も効果を発揮できるシチュエーションとしてはギターソロなどのリードプレイでの場面でしょう。クリーンな残響音により全体的に奥行きが出て音も伸びやかになります。もちろんその他の場面でも隠し味的に効果を発揮できるはずです。コードストロークなどでショートディレイとリピート回数も少な目で掛けるとクリーンなパラレルの効果で歪んでいながら濁りのない分離感のある音を作り出せるでしょう。
ディレイ音にのみ別のエフェクトをかける
さて、ここからが更にパラレル接続のだいご味でもありますがSEND,RETURN間に繋がれているディレイの前後に別のエフェクターを繋げると残響音にのみ違うエフェクトを掛けることができます。例えばディレイの前に別の歪みを繋ぐとメインの歪みサウンドに対し残響音だけが違うタイプの歪みとなります。
下の図はディレイの前にファズを繋いだパターンです。メインのオーバードライブとは別にディレイ音にのみファズがかかる仕組みです。ディレイ音を別のタイプの歪みにすることで総合的な歪みの質感も変わってくるようです。ロングディレイでは特殊効果的になりますがショートディレイでは新たな歪みサウンドを作っているかのような創作を体感できます。ファズではなく別の歪みをディレイ音にかければ、また違ったテイストのニュアンスになります。色んな歪み系ペダルを試してみましょう。
歪みペダルとディレイのパラレル接続にはまだまだ拡張の可能性があると思われます。今後も新たな組み合わせを研究して記事を追加していきます。
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