リバーブを使った歪みペダルのパラレルパターン①

リバーブは残響音の効果によりサウンドに立体感を出したり音像を後方へ配置したりと広がりを演出してくれます。このリバーブの効果と歪みペダルのパラレル接続をみていきましょう。通常の直列繋ぎでは歪み➡リバーブの順になりリバーブの残響音も歪むことになります。これをパラレルで接続することで残響音のみを歪ませることなくクリーンに響かせることができます。

パラレル接続による効果

残響音をクリーンサウンドにすることによって歪みサウンドとの対比が出来サウンドの主成分を奥に引っ込ませることなく前面に出しつつリバーブの響きを掛けることが可能です。

RVB-SR1を使って歪みペダルをパラレル接続するパターン

ディレイと歪みペダルのパラレル接続と同様に残響音がクリーンなため歪みサウンドでありながら濁りのない透明感のあるサウンドに仕上がります。

 

RVB-SR1_Parallel

Dynamix Driver SRを使って一般的なリバーブをパラレル接続させても同様の効果となります。

歪みペダルとリバーブのパラレル接続

また、クリーンなリバーブサウンドであるため目立たせることなく隠し味的にエフェクトを掛けられるでしょう。コード弾きなどではクリーンな残響音が鳴ることで歪んでいながら分離感の良い音作りも容易になります。

パラレル接続リバーブの使いどころ

リバーブのパラレル接続を活かすシチュエーションはディレイの時と同様リードプレイでの伸びやかなサウンドでしょう。残響音がクリーンであることで音像をぼやけさせる事が無く、奥行きのある伸びやかで透明感のあるリードプレイを実現します。リードプレイだけでなくクリーンな残響音を活かして隠し味的に使えばバッキングなど曲を通して役立つでしょう。

 

別の歪みペダルと組み合わせる

ディレイ、コーラスと歪みペダルのパラレル接続時と同様に音の遅延を利用して別のタイプの歪みペダルをSEND,RETURN間のリバーブの前に接続するとメインの歪みに対して残響音は別タイプの歪みが鳴ることになるます。

Dynamix Driver SRを使ったパターン。

ODとFuzz+Reverbのパラレル接続リバーブの音を奥に引っ込める効果も相まって対比ができ、2種類の歪みがうまく混ざりあうため普通では出せない歪みサウンドを作り出すことができます。この例ではリバーブの前にファズを接続しています。歪みの主成分はTS系のDynamic Overdriveですが残響音はファズサウンドが響き渡ります。ファズの残響音により非常にロングサスティーンなサウンドテイストになります。

これを利用して前回ご紹介したSEND,RETURN間に別の歪みペダル+揺れもの系などの組み合わせにリバーブを追加したパターンです。

 

Dynamix Driver SRを使ったパラレル接続です。

RETURNの直前にリバーブを持ってくるとSEND,RETURN間のサウンドにのみリバーブが掛かることになります。SEND,RETURN間側に立体感を出し、音を少し奥へ引っ込めることでメインの歪みと馴染みやすくできるでしょう。メインのオーバードライブを前面に出しつつ全体的に奥行きのあるサウンドが作れます。このように歪みペダル同士のパラレル接続で効果を発揮しやすい組み合わせです。

図ではディレイがSEND,RETURN間に入っていますがコーラスなど他の揺れものペダルの場合にもリバーブを挟むことでより効果的なパラレルサウンドを作れるでしょう。

リバーブのみエフェクターラインを迂回する

パラレル接続の基本でもご紹介しましたがSMALLGARAGE製のSRシリーズRVB-SR1を使用すれば歪みペダルだけでなくエフェクターのライン全体を迂回してリバーブのみクリーンなまま掛けることができます。下の図はエフェクター基礎講座スタンダードな接続順コーナーの『重量感のあるディストーションサウンド』のエフェクト例です。エフェクターライン

このセッティングでは通常のセオリー通り、リバーブが一番最後に接続されています。もちろんこのままでも普通に機能するセッティングですが、直列繋ぎのためリバーブの残響音にもディストーション、イコライザーの補正、コーラスのエフェクトが加わるためエフェクトを強くかけた場合など音像がぼやけてしまうかもしれません。

リバーブのみクリーンに掛けるにはSMALLGARAGE製リバーブRVB-SR1を使って次のようにライン全体を迂回します。パラレル接続によりリバーブのみクリーンに鳴らす

このセッティングであればリバーブの残響音のみクリーンサウンドとなり透明感と奥行きがありながらメインのサウンド成分を引っ込めることなく出力することが可能です。

歪みペダルをメインにパラレル接続のパターンをご紹介しましたが、ここから更に別のエフェクトを加えたりと拡張も可能です。

次のページはリバーブのパラレルパターンを更に拡大した使い方をご紹介しています。