スタンダードな組み合わせ


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スタンダードなセッティングエフェクターの種類、接続順を覚えたら今度は実際にエフェクターでサウンドメイクをしてみましょう。

しかし、ギター初心者の方など数多くのエフェクターをどのようにセッティングすればイメージした音が出せるのか、そもそもどんな音が出せるのかわからない場合もあるでしょう。

そこでいくつか標準的なセッティングが出来るようサウンドメイクのパターンをご紹介します。音作りに迷った場合は参考にしてみてください。

エフェクターの機種により設定値も異なるため基本的には各パラメータの値を0~10の10段階(小数点あり)で解説いたします。あくまで参考程度に自分の機材と照らし合わせて調節してください。

クリーンサウンドの音作り

まずは音作りの基本となるクリーンサウンドでのセッティングを覚えましょう。エフェクターを上手く使うことで単にアンプのGAINを絞って音量を上げただけの音とは一味違うサウンドメイクができます。

バッキング向けクリーントーン

バッキング向けクリーントーンコンプレッサーとコーラスが特徴的なクリーンサウンドです。コンプレッサーのATTACKを短くして素早く圧縮、音の粒を揃えコーラスとリバーブで揺らぎと広がりを演出、バッキングやアルペジオで美しいサウンドを聴かせてくれます。イコライザーで若干中音域を削っているのが特徴です。機材の個体差もあるので中音域の量は調節すると良いでしょう。コーラスのDEPTHを少なめにして深くかけ過ぎないのがポイントです。

12弦ギターを再現したセッティング

エフェクターによる12弦ギターの再現

最初のバッキング向けクリーントーンをベースにピッチシフターで1オクターブ上の音を加え50msecという非常に短い間隔でのディレイを加えることで6弦ギターでも12弦ギターのような響きを演出するセッティングです。

セオリー通りの順序でピッチシフターを先頭にしましたがピッチシフターとショートディレイにより12弦ギターの複弦効果を演出するため上記の配置で上手く機能しない場合はピッチシフターをディレイの後に持ってきて試してください。状況に応じてコーラスも加えると更に雰囲気が出るでしょう。

ただし、あくまでもエフェクターでシミュレートしたものなので12弦ギターを完全に再現できるわけではありません。

より幻想的なクリーンサウンド

透明感のあるクリーンサウンド
さらに透明感のあるクリーンサウンドを目指したセッティングです。コンプレッサーはサスティーンを長くアタックに関しては完全に絞ってすぐさまコンプが掛かるようになっています。

コーラス、リバーブも深めにかかり幻想的なサウンドを演出します。ロングディレイも加わってギターの音色のみでも音楽的表現効果のあるセッティングですが音像がぼやけてしまいがちなのでバンド演奏時には音が埋もれないよう調節してください。

アーティスティックなギターの独奏などに向いた音作りと言えます。

オーバードライブサウンドの音作り

つづいて最も使用頻度の高いエフェクターであるオーバードライブを使ったサウンドメイクをご紹介します。他のエフェクターと組み合わせることでオーバードライブ単体で使うよりも豊かな表現が出来るでしょう。

ヴィンテージなクランチサウンド

ヴィンテージなクランチドライブ
音の芯のしっかりした太めのクランチサウンドです。ピッキングに対するレスポンスも良く、弱めのピッキングやボリュームを下げることでクリーンサウンドも表現できます。

特にストラトのフロントピックアップでお勧めのサウンドメイクです。隠し味的に薄くコーラスを掛けることで艶やかさを出します。コーラスが掛かっているのが分かるほど強くかけ過ぎないのがポイントです。コーラスにエフェクトレベルが付いていない場合はDEPTHを下げてください。

音をまとめるためイコライザーは全体のLEVELを下げて整音的に使っています。違和感がある場合は無くてもよいでしょう。ギターのボリュームを絞ることでも補えます。オーバードライブはBOSS OD-1の系統のものを使うと再現度が高まります。

ファットなドライヴサウンド

ファットドライヴ最初のクランチサウンドに比べより歪みの効いたオーバードライヴサウンドです。

オーバードライヴとコーラスのみのシンプルな組み合わせですが、イコライザーを省きドライブを大きく上げているためピッキングレスポンスよりもドライブ感と音を前に出すことを目的とした設定と言えます。

こちらはリアピックアップでも効果を発揮するセッティングになります。コーラスもより一層薄くかかっていますがコード弾きなどで音に分離感を与えてくれます。やはりコーラスを隠し味的に使うのがポイントです。

DRIVEの量とTONEの値は同じくOD-1系のオーバードライブを使った場合の設定です。

骨太でワイルドなドライブサウンド

wild overdriveイコライザーで中音域を大胆に削ったいわゆるドンシャリ傾向のドライブサウンドです。

ひとつ前のファットなドライブサウンドは中音域よりの音が前面に出てくる質感でしたが、こちらは武骨でジャキジャキとした質感に310msecの比較的短い間隔のディレイをかけることにより若干スペーシーな奥行きのあるサウンドとなっています。

ご使用のオーバードライブの音質特性に合わせてイコライザーの中音域の設定も微調節すると良いでしょう。

ワウペダルを使ったサウンドメイク

つづいて、知っていると便利なワウペダルを使った音作りを解説いたします。

ファンキーなワウサウンド

ファンキーなワウセッティングブラッシング時もワウのかかり具合がはっきりわかるカッティングやファンク向けのセッティングです。リードプレイでもエモーショナルなサウンドを演出してくれます。

このセッティングでのポイントはワウの前のコンプレッサーでしょう。ATTACKを0に設定し瞬間的にコンプが掛かることにより、ワウのニュアンスを際立たせています。

オーバードライブはどのようなタイプの場合でもDRIVEを殆ど上げないようにしましょう。どちらかと言えばブースター的な使い方ですがコンプレッサーの出力レベルをMAXにしているためDRIVEを上げなくても歪みを得られます。DRIVEを上げると逆にクセが出てしまいファンキーなニュアンスが出しにくいでしょう。

リバーブを薄くかけ奥行きを作ることもニュアンスを出しやすくするポイントです。

オーバードライブをOFFにすればクリーンなワウサウンドを得られます。

ファズを使ったサイケデリックなワウサウンド

60’s風のサイケデリックなワウサウンドです。ワウとファズの組み合わせだけでなく軽くフェイザーを掛けることでリードプレイなどでより雰囲気を出せるセッティングになります。

ファズにFUZZFACEを使う場合、そのままワウとつなぐと上手く効果が出なかったり発振する場合もあります。そこでワウとFUZZFACEの間にバッファーを入れるとうまく機能します。

バッファーは特別なものでなくてもバッファー式バイパスのエフェクターをOFFにしたものでもOKです。(BOSSのエフェクターなどを電源は繋いだ状態でOFFにする。)

ディストーションサウンドのセッティング

ロックギターらしいより強い歪みのディストーションを使ったセッティングをご紹介します。ジャンルによっては使用頻度の高いディストーションの基礎的なセッティングを覚えましょう。

スタンダードなディストーションサウンド

スタンダードなディストーションセッティングオーソドックスなディストーションサウンドを想定したセッティングです。DIST、TONE、LEVELの量は記載していますが使用するディストーションのキャラクターに合わせて調節してください。

コーラスを薄くかけているのでコード弾きなどでは音に分離感を与えます。コーラスのエフェクトレベルを上げればスペイシーな透明感と広がりのあるディストーションサウンドを得られます。

音をもっと前面に出したい場合はコーラスをOFFにするとよいでしょう。ディストーションの前にボリュームペダルを繋ぐことで歪みの量をコントロール出来ます。ギターの直後にボリュームペダルを置く場合はハイインピーダンス仕様のものを使ってください。

重量感のあるディストーションサウンド

ヘヴィーなディストーションサウンド低音を重視したヘヴィーなディストーションサウンドです。ポイントはイコライザーで中音域を削り低音を上げることでナチュラルな歪みのディストーションでも低音域の効いたヘヴィーなディストーションサウンドを作り出せます。コーラス、リバーブで深み、重さを演出しています。

使用するディストーションによりイコライザーなどを調節しますが、より歪むBOSS MT-2以降のタイプの現代的なディストーションを使う場合はイコライザー不要の場合も有ります。歪ませ過ぎて音の芯が分からなくならないよう注意しましょう。

残響を活かしたディストーションサウンド

ディレイとリバーブを効果的に使いスタジアム感のある広がるようなディストーションサウンドを作り出せます。

ポイントはナチュラルな歪みのディストーションを使って歪ませ過ぎないことです。ディレイ、リバーブが深くかかっているので音像がぼやけてしまいがちです。特に高音弦を弾いたときに音が細くならないようディストーションをセッティングしましょう。

ディレイは400msecと短めのディレイをかけリピートは2回ほどで、すぐに減衰するよう設定すれば雰囲気が出ます。

リバーブもTIMEを上げて広がりのある設定にしていますが、実際に音を出す場所を考えて調節しましょう。あまりに深くかけ過ぎると音が引っ込んでしまうので注意が必要です。


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