エフェクターの種類★ワウ、オートワウ

WAH

ワウペダルの基本構造はギター本体に装備されているトーンコントロールにブースター機能を加えたものとイメージして頂くと解かりやすいかと思います。ワウペダル

トーンコントロールは可変式のフィルターなので操作したときに音が変化します。これをフットペダルで行えば演奏しながらでもリズムに合わせて継続的にワウワウとした音響効果を生み出せるという訳です。

ワウペダルの使い方

ワウペダルの使いどころとしては、まずギターソロで使用されることが多いといえます。リードプレイ時にワウサウンドを加えることでエモーショナルな、より表情豊かな表現ができます。また、カッティング時にリズムに合わせて上手くワウを操作すると事でグルーヴ感を演出したりファンキーさを強調させることが可能です。


実際にワウペダルが使われている曲を聴いてみて使い方の参考にしてみましょう。


CREAM – White Room
エリック・クラプトンがこの曲のギターソロでワウペダルを使用しています。時代的にもサイケデリックで幻覚的な世界観を演出しています。ワウペダルを使ったギターソロのお手本と言える演奏です。

 

RED HOT CHILI PEPPERS – Stone Cold Bush
この曲ではカッティングにワウが使われていてグルーヴィーさを引き立てています。ペダルを踏むタイミングなども参考にしてみましょう。

ワウペダルの操作

ワウの操作はペダルを足で踏みこんだ状態がトーンコントロール全開と同じで、最も高音域が強調されます。ワウワウの『ワ』の状態です。


ワウペダルを戻した状態が最も低音域が強調される『ウ』の状態です。トーンコントロールを完全に絞った場合と同じです。


ハーフトーンの状態では中音域が強調されます。ワウペダルの音質変化を利用してペダルを半分踏み込んだ状態で固定して使うプレイヤーもいます。

ワウの接続順

ワウペダルは他のエフェクターとの接続順の違いで効果が大きく変わってきます。


ギターの直後、歪み系ペダルや他のエフェクターの前にワウペダルを接続するとワウ部分によってフィルターがかかり、通過出来た音域成分にのみ次のエフェクトが掛かるため比較的控えめでマイルドな効果となります。


歪み系ペダル等の後に接続すると、前段のエフェクターで強調された音に対しワウが掛かるため効き目の強いダイナミックなワウサウンドとなります。

代表的なワウペダル

ワウペダルは次の種類が有名です。

VOX V847-A

VOX V847A1960年代に登場して以来スタンダードなワウペダルとして人気となった機種のリニューアル版です。定番ワウペダルであるため最初の1台としてもまず間違いない一品と言えます。

 

 

 

 

 

JIM DUNLOP GCB-95 Crybaby

Crybabyこちらも大変人気の定番ワウペダルです。ハムバッカーに歪みサウンドなどハードロック系と相性が良いと言われますがスタンダードな機種なので、どの様なジャンルにも対応できるでしょう。最初の1台としても勿論おすすめです。

 

AUTO WAH

オートワウオートワウは足の踏み込みで行うワウのペダル操作を電子回路で代行させたものです。モジュレーションワウとも呼ばれます。設定により一定のパターンでワウワウを自動的にかけてくれます。モジュレーション系ペダルとも言えますが機能面とペダル式との比較のためフィルター系に分類いたしました。

 

ただし、原始的なオートワウの場合は構造的にピッキングの強弱によってワウが掛かる仕組みになっていてペダル式ワウ、モジュレーションワウとは少しニュアンスが異なるとも言えます。

オートワウの使い方

エフェクトとしてはペダル式と違いがないため使いどころも同じ様な場面になりますが、ある程度ワウワウの踏み込みパターンが決まっている場合はオートワウにしたほうが安定したリズムを刻みやすいでしょう。

モジュレーション式オートワウの操作

モジュレーションワウの場合は次のような操作項目が基本となります。

RATE

ワウワウの間隔を設定します。ペダルを踏み込むリズム間隔に該当します。

 

DEPTH

ワウの掛かる強さを調節します。ペダルをどこまで踏み込むかをシミュレートする項目です。最大値に設定するとペダルをベタ踏み(アクセル全開)状態と同じ深さまでワウが掛かります。

 

MANUAL

ペダル式の場合での踏み始めの位置(ペダルをどこまで戻すか)を設定します。MANUAL設定値からDEPTH設定値までがペダル式ワウのストローク幅に該当します。MANUAL、DEPTH共にセンターにするとペダルを半分踏み込んだハーフトーンと同じ状態になるはずです。

 

原始的なオートワウの操作

古くに設計された原始的なオートワウの場合はピッキングの強さによってワウが掛かるため設定項目も異なります。

SENSE

ピッキングのに対する反応の鋭さを調節します。右へ上げるほど弱いピッキングでもワウが掛かります。

 

RANGE

ペダル式ワウで言えば、どこまで踏み込むか最大値を決定します。モジュレーションワウでのDEPTHと似ていますがピッキングが強いほどワウも深くかかります。ピッキングが弱い場合はストローク(スウィープ)幅の狭いマイルドな効きとなります。

代表的なオートワウ

一般的なオートワウには次のような機種があります。

BOSS AW-3

BOSS AW-3BOSSの現代的なモジュレーションワウです。AW-2の後継機種でモジュレーションワウでありながら原始的なピッキングに反応するオートワウも可能な上、両者をミックスすることもできます。

 

 

 

外部ペダルを接続すればペダル式のワウとしても使えます。オートワウの定番と言えますが機能が多いので慣れるには時間がかかるかもしれません。先代AW-2の方がシンプルなので入門には最適かもしれません。中古で見つけてみましょう。

 

Electro Harmonix Doctor Q

Doctor Q古くからある機種で、いわゆる原始的なオートワウの代表です。設定もシンプルでピッキングに対してワウが掛かるのでモジュレーションワウよりも音楽的に表現できるといえます。入門用の原始的オートワウとしても最適でしょう。

 

 

次のページではノイズフィルターについて解説いたします。