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エフェクターは一つだけ単体で使う場合もありますが、より幅広いサウンドメイクのために複数のエフェクターを組み合わせることが一般的です。ただし、エフェクターは接続順によって効果が大きく異なったり上手く機能しない場合もあります。 それぞれのエフェクターの効果をしっかり発揮させ、無理のないサウンドになるようエフェクターの接続の一般的なセオリーをご紹介します。

基本的な接続パターン

一般的には大まかにエフェクターの種類ごとに分けた場合、以下の図に示すパターンが無理なく効果を発揮できる構造です。 大まかな流れとしては、ダイナミクス系➡歪み系➡揺れもの➡空間系と接続するのが一般的なセオリーですが先頭のダイナミクス系にしても細かく見ればコンプレッサー、イコライザー、ブースターがありそれぞれ接続順の例外もあるのでもう少し詳しく分類して考えてみましょう。

歪みペダルの前後

まず、エフェクターの中で最も使用頻度が高い歪みペダルを基準に前後に接続するエフェクターを考えてみます。基本的な接続パターンの図ではダイナミクス系➡歪み系となっています。このダイナミクス系の中でコンプレッサーに関しては図の通り歪みペダルの前に接続するのが良さそうです。コンプレッサー➡ディストーションコンプレッサーのサスティーン機能で伸びやかな歪みサウンドを作れます。これを逆に歪み系➡コンプレッサーにするとサスティーンよりも圧縮感の方が勝って音が引っ込む感じになります。 イコライザーに関してはセオリーとは逆で歪みペダルの後に繋いだほうが補正した音域の色合いがよく出ます。ディストーション➡イコライザー

ブースターの位置

ブースターの位置は歪みの前か後かで効果も変わってきます。歪み系➡ブースターとつないだ場合は歪みの量はそのままで音量のアップとなります。音量アップ逆にブースター➡歪み系とつないだ場合はブースターが前段の歪みとなって音量ではなく全体の歪みの量が増えるイメージです。歪みアップトレブルブースターなど特性を持つブースターの場合は音質も補正されるのでそのあたりも考慮に入れましょう。クリーンブースターの場合はシステム全体の音量アップを狙ってアンプの直前に入れる方法もあります。

歪みペダルと揺れもの系、空間系ペダル

歪みペダルと空間系などのエフェクトのとの組み合わせですが基本的にはセオリー通り歪みペダル➡揺れもの、空間系ペダルと接続したほうが音がつぶれたりすることなく自然にエフェクトがかかるパターンが多いです。歪み➡モジュレーション例えばコーラスやディレイ、リバーブなどの後に歪みペダルをつなぐと濁ったようなサウンドになって綺麗なエフェクトが得られないでしょう。 リバーブや他の揺れものペダルも基本的にはセオリー通りでいいですが、やはり例外もあります。フランジャー➡歪み系ペダル特にフェイザー、フランジャーなど効きが強いものは歪みの前に繋いだ方が効果を出しやすい場合も有ります。この辺りは実際に繋いでみて好みの方を選択しましょう。

ディレイとモジュレーション系ペダル

もう一点検証してみたいのがモジュレーション系ペダル(揺れもの)と空間系同士の組み合わせです。ただ、揺れものペダル同士は特殊な効果を出す場合以外にあまり同時に使用しないため基礎的なサウンドメイクでの組み合わせはディレイとの相性を考えてみましょう。 まず、コーラスとディレイですがこの場合はセオリーとは逆でディレイ➡コーラスとつないだ方が自然にエフェクトが掛かるようです。ディレイ➡コーラスフランジャーに関してはセオリー通りフランジャー➡ディレイの方が綺麗にかかりました。フランジャー➡ディレイフェイザーとディレイに関してはどちらを先に繋いでも上手く効果が出るようです。 なので空間系、モジュレーション系どちらを先にするかはあまりセオリーにとらわれず実際繋いで試してみて効果的な順番を採用しましょう。

ピッチ系ペダルとワウ、ボリュームペダル

ピッチシフターやオクターバーは音程を検出しやすくするためギターに近い位置に置くのが良いでしょう。ギターの直後はハイインピーダンスのヴォリュームペダルを置く場合も有ります。ギター➡ヴォリューム➡ピッチ系ペダルワウペダルはエフェクターの種類でも解説しましたが歪みの前と後で聞き具合が変わってきますので状況に応じて位置を決めましょう。

全体の接続手順

以上を踏まえるとエフェクターを接続する基本的な順序は以下の図のようになるかと思います。基本的なエフェクターペダルボード揺れもの系の内フランジャーとフェイザーは黒の矢印の位置3か所ほど選択可能です。 Vol.ペダルをエフェクター間に入れる場合はロウインピーダンス仕様のものを使ってください。ギター直後の位置のハイインピーダンス仕様のVol.ペダルは歪みペダルの前に入っているため歪みの量をコントロールすることにも役立ちます。 歪みペダルの後にロウインピーダンスのVol.ペダルを入れる場合は純粋に音量のコントロールとなります。残響音の有無を考えてディレイ前後に入れることが多いようです。   以上がエフェクターの接続順ですが、このコーナーで解説したのはあくまで基礎的な接続順です。エフェクターの接続順に絶対的な答えはありませんので最初のうちは基礎的な接続順を参考にしながら独自の順序を確立していくといいでしょう。独自の接続順を研究すれば今までにないサウンドを出せるかもしれません。 次のページでは基礎講座の締めくくりとして実用的な基本セッティングをご紹介します。

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