●Equalizer
イコライザーは特定の周波数の音域を持ち上げたり、逆に削ったりする音質を直接的に操作する役目があります。
ギターアンプにもイコライザー機能を有しているものが多く高音域(TREBLE)、中音域(MIDDLE)、低音域(BASS)と3段から4段階で個別に音質調節ができるものが一般的です。
エフェクターのイコライザーとしてはアンプのように4段階ほどの音域を個別に設定するタイプのものもありますが、もっと細かく周波数を設定できるスライド式のフェーダーを使ったグラフィックイコライザーが一般的でしょう。
グラフィックの名称の通りフェーダーの配置から見た目で音質をイメージすることもできます。
イコライザーの使い方
一般的なグラフィックイコライザーは各音域のフェーダーを上下させてブーストさせたり削ったりします。
おおよそ7Bandのフェーダーを持ったイコライザーが標準的のようですが各周波帯域が担っている音質の成分は次のようになります。
7Bandグラフィックイコライザーの主な周波特性
・100Hz | 最も低い音域の調節により全体的な厚みを決定づけます。 |
・200Hz | 低音域の調節です。音の太さを決めます。 |
・400Hz | 中低音域です。音の鳴りや重量感に関わります。 |
・800Hz | 中音域の設定で音の粘りや乾き加減などの質感を調節します。 |
・1.6kHz | 中高音域になります。音の質感に加えアタック感に影響を与えます。 |
・3.2kHz | 高音域です。音の抜けを担います。 |
・6.4kHz | 最も高い音域の設定で音の鋭さを決めます。 |
文章で解説すると以上のような感じになりますがあくまでもイメージです。
実際には隣り合う周波帯域同士など上手く連動させないと効果的に使うことは難しいはずです。
初めは色々とフェーダーを上下させて感覚をつかむと良いでしょう。
用途別おすすめ設定方法
慣れないうちは中音域の効いた乾いた音を作ろうとしても音がこもってしまったり、高音を上げて抜けを良くしようとしても耳に痛い音だったり堅い音質だったりと初心者にはうまく扱えない場合もあるかと思います。
そこでイコライザーの設定例を御紹介したいと思います。
まずはこれを例に微調節して使うとよいでしょう。
コードストローク、バッキング向けセッティング
高低の両端、100Hz以下を少し削り3.2k以上の高音域を持ち上げることでギターの音が前に出て奥行きのある質感になります。
特に歪ませた状態でのコードストロークなどでは各弦の分離感が良くなります。
ザクザクとしたサウンドのバッキングにもお勧めのセッティングです。
ギターソロ、リードプレイ向けセッティング
ギター本来の音域を強調した中音域が特徴の音作りです。
音が持ち上がり伸びやかで乾いた質感のサウンドになります。
マスターLEVELも上げておけばギターソロ時に音量が上がるのでブースターとしてお勧めです。
中音域の鳴りを生かして単音でのバッキングにも有効です。
高音域が耳障りにならないよう6.4kHz以上は削ります。
それでも機材の相性で耳に痛いサウンドと感じる場合は3.2kを少し調節するとよいでしょう。
ドンシャリ型セッティング
高音域と低音域を強調して中音域を削ったいわゆるドンシャリというサウンドメイクです。
メタルやハードロックの歪ませたサウンドでよく使われるセッティングですがクリーンサウンドにすると硬質で金属的な質感がよくわかるでしょう。
このようなサウンドが必要になる場合もあるためセッティングとサウンドイメージを合わせて覚えておくとよいでしょう。
カッティングプレイ向けセッティング
軽快で歯切れのよいカッティングプレイに有効なセッティングです。
200Hzあたりの調節が音の抜けや質感のポイントとなるでしょう。
レスポール系ギターサウンドをシミュレートしたセッティング
レスポールに近いサウンドを出したいときに試してください。
中音域が持ち上がっているのが特徴です。
音がこもると感じる場合は400Hzを少し下げてみてください。
ストラトキャスターをシミュレートしたセッティング
ストラトキャスターに近いサウンドを出したい場合は400Hz帯域を少し削り、高音域を上げることでアタック感のあるストラトっぽいに少し近づけるでしょう。
上記のレスポールサウンドも同様ですが完全に同じ音が再現できる訳ではありませんのでご注意ください。
以上のセッティングを参考にアレンジしながらイコライザーのコツを掴んで頂けたら幸いです。
イコライザーによってサウンドを大きく変化させられる分セッティングも難しく逆効果になってしますこともあります。
サウンドメイクの特効薬として使うよりも微調節、補正機能としてイコライザーに頼り過ぎない音作りが大切と言えるでしょう。
おすすめの定番イコライザー
定番のイコライザーとしては次のようなものが挙げられます。
BOSS GE-7
BOSSの現行グラフィックイコライザーGE-7です。7BANDのフェーダー式で標準的なイコライザーと言えます。
MXR Six Band EQ & Ten Band EQ
MXRのグラフィックイコライザー6Bandのものと10Bandの2種類をご紹介します。
MXR Six Band EQ
標準的なものより1Band少ない6Band EQですがその分セッティングしやすいといえます。
ギターであれば6Bandから5Bandでも十分効果を発揮できるでしょう。現在はシルバーのケースにデザインが変わったようです。
10Band EQはより細かく設定できるようフェーダーが増えたものですが機能が多い分セッティングの難易度も上がとも言えます。
上級者向けとも言えるでしょう。
こちらも現在はシルバーのケースになっているようです。
★SMALLGARAGE SRシリーズ
SMALLGARAGEではイコライザーに限らずエフェクター同士のパラレル接続が可能なSRシリーズを開発しました。
任意の場所から分岐、ミックスができるので様々な組み合わせパターンを実現できます。
今後もパラレル接続を可能にした様々なタイプのエフェクターを増やしていく予定です。